2015年03月14日
ソ連およびロシア連邦軍の戦闘服 その2 (おまけ)
前回では、ソ連およびロシア連邦軍戦闘服の大まかな流れを簡潔に紹介させていただきました。
今回は正式な戦闘服ものではありませんが汎用性の高い服と類似品について説明したいと思います。
KLMK
ソ連時代から現在まで長きにわたり使われている迷彩が施されたつなぎです。
本来は野戦服の上から着用するもので、生地は薄く破れやすいです。
そして同じ生地で作られたマスクが付属します。
一応リバーシブル仕様で夜間迷彩として使えるそうですがその真偽は不明です...
主に冷戦ソ連~アフガン侵攻、その後も使われてはいましたが一時より見かける数は激減してしまいました。(見られないだけで使用されているかもしれません)
KZM※写真なし
上記と同じくソ連から使われています。
特徴としてはほぼKLMKと変わりませんが、相違点はポケットの数が増え、つなぎ状ではなく上下2ピースでできています。
こちらのほうが使い勝手が良いのか、比較的ソ連崩壊以降も見かけることができます。
KZS
こちらもソ連から現在まで使われている迷彩服です。
こちらもKZMと同様上下2ピースですが、薄手の生地ではなくメッシュ状に編まれた生地でできています。
今回は正式な戦闘服ものではありませんが汎用性の高い服と類似品について説明したいと思います。
KLMK
ソ連時代から現在まで長きにわたり使われている迷彩が施されたつなぎです。
本来は野戦服の上から着用するもので、生地は薄く破れやすいです。
そして同じ生地で作られたマスクが付属します。
一応リバーシブル仕様で夜間迷彩として使えるそうですがその真偽は不明です...
主に冷戦ソ連~アフガン侵攻、その後も使われてはいましたが一時より見かける数は激減してしまいました。(見られないだけで使用されているかもしれません)
KZM※写真なし
上記と同じくソ連から使われています。
特徴としてはほぼKLMKと変わりませんが、相違点はポケットの数が増え、つなぎ状ではなく上下2ピースでできています。
こちらのほうが使い勝手が良いのか、比較的ソ連崩壊以降も見かけることができます。
KZS
こちらもソ連から現在まで使われている迷彩服です。
こちらもKZMと同様上下2ピースですが、薄手の生地ではなくメッシュ状に編まれた生地でできています。
本来の使用目的は、対科学兵器用(原爆等)防護服として作られたそうで、生地には化学薬品がしみ込んでおり人体に影響があるかもしれないということですぐに洗って薬品を抜くことを推奨されました。
その化学薬品とは燃えやすくするというもので、爆発の熱ですぐKZSを燃すことで被ばく量を減らすという目的があったのかもしれません。
その化学薬品とは燃えやすくするというもので、爆発の熱ですぐKZSを燃すことで被ばく量を減らすという目的があったのかもしれません。
実際その目的とは反し、現地では使い勝手の良い迷彩服として使われていました。
こちらのブタン迷彩はクリミア危機以前までウクライナ軍により使用されていた迷彩でした。
大きな特徴は化学防護服ということもあって、ヘルメットまで覆うことができる大きなフードと、手の先まですっぽり覆うことができる長い袖です。
上記2つと同様、崩壊後も見かけることができます。
Gorka(ゴルカ)
この服はゴルカと呼ばれる防寒(防風)着で服の上に着用します。
軍でも使われいますが民間でも山岳服として売られています。(スポーツ用品店でも売られているらしい)
汎用性が非常に高くロシア連邦軍だけでなくロシア内務省(MVD)でも頻繁に見かけることができます。
上記の通りゴルカは民間でも使用されていることもありメーカーや裁断の違いや迷彩柄など無数に存在しています。
Gorka(ゴルカ)
この服はゴルカと呼ばれる防寒(防風)着で服の上に着用します。
軍でも使われいますが民間でも山岳服として売られています。(スポーツ用品店でも売られているらしい)
汎用性が非常に高くロシア連邦軍だけでなくロシア内務省(MVD)でも頻繁に見かけることができます。
上記の通りゴルカは民間でも使用されていることもありメーカーや裁断の違いや迷彩柄など無数に存在しています。
TTsKO迷彩(ブタン)※こちらはウクライナで使われているブタン迷彩です!
こちらのブタン迷彩はクリミア危機以前までウクライナ軍により使用されていた迷彩でした。
ソ連時代に使われアフガン侵攻末期には見かけることができます。
本来、ソ連で採用されていたブタン迷彩はカラーバリエーションがピンク、緑、茶系など豊富です。
※よくオークションなどで見かけるブタン迷彩はウクライナや類似品が多いので、タグや色合い、柄など注意深く観察しましょう
おまけコーナー
前回、説明させていただきたデジタルフローラなどには軍が使用していない似て非なるものが存在します。
SPLAV(スプラブ)というメーカーがあるのですが、そこから販売しているプラントデジタル迷彩というものがあります。
某商店様により非常に入手しやすくなっていますが、本格的に始める方は間違えないようご注意下さい。
迷彩柄や色合いなど非常に似ていますが、デザインなど細かく見ていくと違いがあります。
上 SPLAV製プラントデジタル:色が鮮やかで緑地が多く、黒の配色が少な目。生地がツルツル
下 デジタルフローラ:色は暗い、バランスの取れた配色
SPLAV製品には必ずタグがあるので一度確認してみましょう。
上記を読み、SPLAV社は類似品を出すメーカーなのか、という印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、決してそういうわけではありません。
以前(ロシア軍関係者の中で)話題になったクリミア危機の武装集団もSPLAV製のゴーグル、エルボー・ニーパッド、グローブを使っています。
また、ロシア連邦以外でも内務省などにM22やM32ベストを納品している実績があります。(ただしM37ベストは除く)
以上、覚えておきたいおまけコーナーでした。
おまけコーナー
前回、説明させていただきたデジタルフローラなどには軍が使用していない似て非なるものが存在します。
SPLAV(スプラブ)というメーカーがあるのですが、そこから販売しているプラントデジタル迷彩というものがあります。
某商店様により非常に入手しやすくなっていますが、本格的に始める方は間違えないようご注意下さい。
迷彩柄や色合いなど非常に似ていますが、デザインなど細かく見ていくと違いがあります。
上 SPLAV製プラントデジタル:色が鮮やかで緑地が多く、黒の配色が少な目。生地がツルツル
下 デジタルフローラ:色は暗い、バランスの取れた配色
SPLAV製品には必ずタグがあるので一度確認してみましょう。
上記を読み、SPLAV社は類似品を出すメーカーなのか、という印象を持たれる方もいらっしゃるかと思いますが、決してそういうわけではありません。
以前(ロシア軍関係者の中で)話題になったクリミア危機の武装集団もSPLAV製のゴーグル、エルボー・ニーパッド、グローブを使っています。
また、ロシア連邦以外でも内務省などにM22やM32ベストを納品している実績があります。(ただしM37ベストは除く)
以上、覚えておきたいおまけコーナーでした。
2015年03月04日
ソ連およびロシア連邦軍の戦闘服
ここでは、ソ連およびロシア連邦軍戦闘服の大まかな流れを紹介していきたいと思います。
(所有していない戦闘服については写真を割愛させていただきます)
35年型野戦服(ギムナスチョルカ、M35)※写真なし
WW2でも着用された折り襟型の戦闘服。襟に兵科章を縫い付ける。
43年型野戦服(ルパシカ、M43)※写真は戦後型
43年以降に採用された詰襟型の野戦服。大戦後も多少の仕様変更があったものの継続して着用された。
69年型野戦服(M69)
69年頃に採用された野戦服。冷戦期ソ連のイメージが強い。90年のソビエト連邦崩壊まで採用され続けた。
88年型野戦服(アフガンカ、M88)
88年頃に採用された野戦服。アフガン侵攻でのイメージが強い。最大の特徴はポケットの数が増え、携行量が格段に増えたことである。
VSR迷彩(VSR93、Schofield「ショフィールド、スコフィールド」)
ソ連崩前後、90年代ロシアで主に使われた迷彩服。主に第一次チェチェン紛争等で見られる。裁断はほぼアフガンカのままで、迷彩が施されている。多種多様な色のVSRが作られ、同じ色のものを探すのは大変難しいとさえ言われている。
フローラ迷彩(VSR98)
98年頃ロシア連邦軍に採用された迷彩服。主に第二次チェチェン紛争、南オセチア紛争等で見られる。裁断は言わずもがな。
デジタルフローラ迷彩(プラントデジタル)※上が2010年採用型、下が2013年採用型
2010年ごろにロシア連邦軍が採用した迷彩服。クリミア併合時に展開した部隊が使用していたのが記憶に新しい。裁断は今までのアフガンカ型とは異なり下部ポケット二つが取り外され、タックインする規定となっている。2010年と13年の大きな違いは階級章の位置。10年型は胸部と左腕という独特な配置。13年型は視認のし難さからか、従来通りの肩章式となっている。
以上が大まかな流れです。
まだ触れられていない戦闘服はまだあります。
時間があれば、再度紹介していけたらと思います。
(所有していない戦闘服については写真を割愛させていただきます)
35年型野戦服(ギムナスチョルカ、M35)※写真なし
WW2でも着用された折り襟型の戦闘服。襟に兵科章を縫い付ける。
43年型野戦服(ルパシカ、M43)※写真は戦後型
43年以降に採用された詰襟型の野戦服。大戦後も多少の仕様変更があったものの継続して着用された。
69年型野戦服(M69)
69年頃に採用された野戦服。冷戦期ソ連のイメージが強い。90年のソビエト連邦崩壊まで採用され続けた。
88年型野戦服(アフガンカ、M88)
88年頃に採用された野戦服。アフガン侵攻でのイメージが強い。最大の特徴はポケットの数が増え、携行量が格段に増えたことである。
VSR迷彩(VSR93、Schofield「ショフィールド、スコフィールド」)
ソ連崩前後、90年代ロシアで主に使われた迷彩服。主に第一次チェチェン紛争等で見られる。裁断はほぼアフガンカのままで、迷彩が施されている。多種多様な色のVSRが作られ、同じ色のものを探すのは大変難しいとさえ言われている。
フローラ迷彩(VSR98)
98年頃ロシア連邦軍に採用された迷彩服。主に第二次チェチェン紛争、南オセチア紛争等で見られる。裁断は言わずもがな。
デジタルフローラ迷彩(
2010年ごろにロシア連邦軍が採用した迷彩服。クリミア併合時に展開した部隊が使用していたのが記憶に新しい。裁断は今までのアフガンカ型とは異なり下部ポケット二つが取り外され、タックインする規定となっている。2010年と13年の大きな違いは階級章の位置。10年型は胸部と左腕という独特な配置。13年型は視認のし難さからか、従来通りの肩章式となっている。
以上が大まかな流れです。
まだ触れられていない戦闘服はまだあります。
時間があれば、再度紹介していけたらと思います。